蕎麦文化
蕎麦会を再開して一番感じるのはやはりこの辺り秋田県の由利本荘地区には蕎麦文化が無かったと言う事です
これまでに私の蕎麦会に参加された方のほぼ全員が蕎麦の香りがどんなものかを知らず、もちろん純粋な美味しい蕎麦の味を知りませんでした
「蕎麦掻き」を食べるのは初めてと云う方がほとんどだったのです
お品書きに「蕎麦掻き」が載っている蕎麦屋さんは由利本荘地域には1軒もありませんでしたし、恐らく秋田県内全域で考えても限りなくゼロに近いと思います。ましてや自家製粉しているお店などあるわけが無かったのです
蕎麦の品種表で見ても秋田県は空白地帯・・・数多くある蕎麦の食べ歩き情報でも秋田県は空白地帯になっている場合が多々あります
これも無理の無いことで、この辺りは日本でも有数の米生産地帯、本荘追分にも唄われるように「江戸で関取る本荘の米」でした
その原因を単純に収入ベースで計算してみると、蕎麦の価格は大雑把に言っておおよそ米と一緒ですが1反歩(1アール)当りの収穫量がまるで違うのです
米を作れば収穫量はおおよそ600kg前後なのに対して蕎麦は恐らく100kg以下の収穫量しか無いでしょう・・・
最近になって米の価格が下がったとは言え60kgで約15,000円に対し蕎麦は45kgでおおよそ15,000円ですから単純計算で今でも蕎麦の収入は米の収入の1/5にしかならないことになります
これではこの辺りでは例えどんな土地でも米を作れるところでさえあれば米を植え、蕎麦を育てる農家が出てくる訳がありません
米が育つ恵まれた環境の中で蕎麦文化が育たなかったのは全く無理の無いことと納得せざるを得ない状況だったのです
蕎麦の無い地域には蕎麦の専門店も少なく、と言うよりほとんどありませんでしたし、うどんに関しても全く同じことなのです
大豆もせいぜいが枝豆用や自家製味噌を造る為に田んぼのアゼに植える程度でした
近年になって米の減反製作が始まり、転換作物としての大豆、蕎麦に目が向けられるようになってきて急激に作付が増えてきました
それに伴ってこの辺りでも地域興し、町村興しの一環として蕎麦を取り上げる団体や自治体も急増して第3セクター形式の手打ち蕎麦屋さんも見られるようになってきたのです
それでもまだなかなか自家製粉とまでは行かず、この辺にとっては蕎麦文化の芽生えとしてはまだホンの一部でしかありません
蕎麦大好き人間の私としてはこの機会に蕎麦の美味しさを由利本荘地区の皆さんに知って頂き、新しい食文化としてこの地域に根付いて欲しいと思っています
これまでに蕎麦文化が無かっただけにいいかげんな蕎麦の味に惑わされ易く、それでは直ぐに見放されて今の蕎麦ブームは単なるブームで終わってしまうこと危惧しています
文化として根付かせるにはやはり何と言っても先ず蕎麦会で本当の蕎麦の味を、本物の美味しさを知って頂くのが一番と活動を再開した次第なのですが・・・