油断

一月に入って間も無く便が出なくなりました
これまでも一日出ないことはあったのですが二日間は初めてです
気になったので便が出るまで絶食することにしました・・・水分だけは充分に
三日間一切の固形物は口にしない絶食をしましたが出る気配がありません
このようなことは全く初めてのことです
思えば夏以降、調子に乗って食べ過ぎてきたようです
これまでの闘病記を読んでいただければお解りのように嘘のように調子の良い日々が続いていました
自分でもまるでガンが完治したかのような錯覚さえ覚えるほどでした
その体調の良さにまかせてつい暴飲暴食が過ぎたようです
油断していました・・・調子に乗りすぎました・・・
本来であればやはり消化の良いものを適量食べて健康的に過ごすべきでしたが、毎日のように健常人が食べる以上の量を何でも構わずに食べ続けていました
特に年末から正月に掛けては肉類を始めとして様々な食材を何でもかんでも・・・
便が出なくなって五日目くらいになって腹が張ってきました・・・そう言えばガスも出ません
更に二、三日我慢しましたが徐々に痛みが出てきました
もう限界のようです・・・
「明日は医者に行こう」と決心しましたが痛みが更に加速しています
11日の夜中になっていよいよ我慢できなくなりました
やむを得ず病院に電話して救急で診てもらうことにしました
「今度は覚悟してもらいますよ」・・・宿直医は前回の入院の折の担当医グループの女医さんでした
「はい・・・そのつもりです」・・・電話をした時点でその覚悟は決めていました
取り敢えずは痛み止めの処置をして即、入院です
痛み止めが効いたのかその晩のことはあまり覚えていません

翌日になって手術に関する説明がありました・・・4日後の手術とのことでした
その日の夜、猛烈な痛みに襲われました
圧迫される不快感と強烈な痛みがひっきりなしに襲ってきます
あまりの痛さに看護師さんを呼んで点滴の管から痛み止めを注射してもらいました
一時はそれで収まりましたがしかし、いくらも持ちませんでした・・・1時間くらいでまた強烈な痛みが・・・
次は肩への注射でした
かなり楽になったのでホッとしていたら今度は猛烈な吐き気が・・・痛み止めの副作用でした
西洋医学の化学的な薬は副作用との戦いでもありますね
そして2〜3時間後にはまた痛みが・・・
結局前の痛み止めに戻して一晩で数回も・・・
翌日の回診で「そんな状態でしたら今日の午後に手術をしましょう」と言うことになりました
急いで3種類の抗生物質のアレルギーテスト、X線検査や血液の凝固試験などの手術準備に入りました
午後3時ころ手術室に入りました
前進麻酔・・・後は何もおぼえていません

ふっと意識が戻った時に横を見ると医師がPCに向かって何かやっています
何かをインストールしています
私は思わず「ダメだ!勝手にインストールするな!」などと叫んで必死に止めようとしていました
別の医師が私の身体を押さえつけながら妻に「意識が錯乱しています」「良くあるんですよ」と言っていました
さらに「本人のベットが空いていますから奥さんはそちらでお休みください」とも言っています
「違う!ダメだ!・・・」私は必死で叫んでいました
全ては幻覚でした・・・思えばその時私は目を開けていなかったのです
しかし、後で聞いてみたら医師と妻の会話は間違いありませんでした

麻酔から完全に覚めて落ちついたら猛烈に腰が痛くなりました
手術中からずっと同じ姿勢をとっていたからでしょう
何度も何度も楽になる姿勢を探して身体を動かしていました
小便を取る管が痛い・・・

翌日には回復室を出て自分の病室に戻りました
手術の傷口と腰が時々傷むくらいです
いよいよオストメイトの生活が始まります
思ったよりは違和感は無いようです・・・何分にも始めての事ですから・・・
「このくらいであればまた蕎麦が打てる」確信しました
翌日からは流動食が始まりました
3日目には5分粥、1週間後には普通食になりました
約10日で抜糸・・・経過は順調でした
その後も何のトラブルも有りません
強いて言えば、時々傷口が傷むくらいでしょうか
便の入るパウチの処理も看護師さんが優しく適切に処理してくれます
このペースで順調に回復すれば2週間くらいで退院出来そうでした
が、なかなか退院のことが話題になりません
2週間が過ぎて思いきって聞いてみました
「ストマのケアが自分で出来るようになれば・・・」とのことです
今のところ自分では未だ何もしていませんでしたから今しばらくの我慢が必要でした
退屈・・・退屈・・・退屈・・・退屈・・・退屈・・・

その後数回の指導を受けてやっと退院しましたが今回の手術は癌の部分はそのままで人工肛門を作っただけとのことです
今後も癌の治療は続きます
今回は全くの自分の不注意からこのような結果になってしまいました
今後は更なるミスを重ねないように心がけねば・・・


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